文化

盗聴?

未だやってるに違いありません。

70年代末、ある田舎事務所に駐在していた友人が日本の留守宅に電話をかけた。奥さんも中国語が出来るので、最近の中国の冗談だとか笑い話を聞かせていると、奥さんの声にかぶって男の笑い声が聞こえる。「だれだ、お前の後ろにいる男は!」と怒ってどなったら、「あんたこそ誰に夫婦の内緒話を聞かせてるの?」と返事があった。
つまり、途中に居た誰かがちょんぼして笑ったと言うこと。

80年代半ば、ある地方都市に駐在していた仲間としょっちゅう電話で連絡を取っていた。
ある時いつものようにホテル内の事務所に電話して用件を切り出したところ、「ちょっと待ってくれ。手元に書類がない。」と彼が言う。そんな馬鹿ないつもの書類なのにと思っていると、「ここはレストランなのだ」と言う。いつものように会社名と本人の名前を言っただけで、間髪をおかず繋がったのだから当然事務所と思うではないか。それが全然別のフロアのレストランに繋がっている。
何で電話のオペレーターが彼のいるところをあれだけ正確に知っているのだろう?


95年ころの北京では、会社のファックスに、時々全く知らない会社から別の会社へのファックスが流れてくる事があった。
電話だったらダイヤルミスもあろうが、ファックスで全く知らない会社の何台かのファックス専用回線にダイヤルミスするなんて可能性がいったいどれだけあることか。

そう言えばファックスの設置は許可事項で、必ず一般電話と違う専用の電話番号が指定される。調べてみたら、同業他社の電話も、ファックスだけは別で、うちのファックスと同じか非常に似ている局番になっていた。

駐在員にはまれに公安委員会からチェックが入る。たいてい事前通知はなく、個人を直接呼び出して行動をチェックする。やられた人の話では「本当に良く知っているよ。何日のいつ、誰に電話したとか、誰と会っていたとか、どんな書類を持っているとか。仕事の秘密だから話したくはなかったけれど、そこまで知っているなら隠しても仕方ないから、ライバル他社には言わないでくれと言いながら全部話したよ」と。

全部が全部チェックできるわけはないと思うが、いまだにこういうシステムは厳然として存在しており、必要と思えばいつでも使える体制にあることは間違いない。

多分中国のことを書いているこの様なHP等もしっかりリストアップされてチェックされているのであろう。

そう言えば、96年、北京事務所でウイルスが蔓延したとき、一番効果があるとされていたソフトは公安委員会推薦のKILLERとか言うソフトだった。DOS用であったが、もしあれがトロイの木馬型だったら、パソコンの中身は皆筒抜けだったのかもしれない。

公安がどこまでやってた知らないが、あの時私は「KILLEERは使わない」と宣言した。」。