文化

文革の影響?中年の不在。

我々が、今の一般的な中国人の生活を見ていると、30年前の「文化大革命」など遥か彼方の過去で、現在には何の痕跡もない様に見えるが、注意してみるとあちこちにその余韻を垣間見る事がある。

例えば我々が商売で日々相手にする客。大手の場合、45歳〜55歳の人が殆ど相手として出てこない。これはこの世代が居ないわけでなく、ちょうど文革の真っ最中に就学時期を過ごし、ちゃんとした教育を受ける機会を逸してしまった為、結果的に大手で働く機会を失ってしまったためである。
その為、中国の大手の会社では、本来ならば中堅幹部として働いているはずの年代の人が究めて少ないと言う事態に陥っている。特に問題となっているのは技術者の不足である。技術交流会などで見ていると良く判るが、老人に近い顧問クラスと、若い45歳以下に明確に分かれている。最近は主談(中方のメインスピーカー)は若手が行っているケースが多いが、それでも細かい事になると顧問クラスの経験、判断を伺っているなと見えるケースが多い。
この年代の人がこの様な表舞台に居ないわけではないが、これらの人は就職後改めて大学に行ったとか、大変な苦労をして勉強してきた人である事を知る必要がある。

又、この年代の人が出てきた場合、極めて慎重でめったに自分の意見を言わない人と、大声で自説を主張する人にかなり明確に分ける事ができる。当時、下手な発言をせず静かに生き残ることを求めた人と、紅衛兵のとして積極的に自説を主張して生きてきたかによって、その行動様式に違いが出来てきたのであろう。

しかし最近は、これを機会に思いっきり組織の若返りを図っているケースも多い。全く新しい時代に適応できるのは若い力であるから。